弁護団の理念
我々は、2005年に発覚した,国土交通省、旧道路公団の橋梁工事の発注に関して、三菱重工らが官僚の天下りを受けいれ、40年にわたって官制談合を繰り返していた事件(いわゆる橋梁談合事件)について、株主代表訴訟を通じ経営者のコンプライアンス体制の構築不備の責任を追及した弁護団である。株主の立場から企業の違法行為を是正し、健全な企業活動を推奨する目的で1996年2月に大阪市で設立された市民団体として株主オンブズマンがあり,我々弁護団は,この株主オンブズマンの流れを汲む弁護団である。
我が国においては企業不祥事(談合、カルテル、利益供与、暴力団との取引、違法献金、粉飾決算、不祥事の隠蔽等)が後を絶たず、企業のコンプライアンス意識、その遵守が十分になされているとは言い難い状況にある。
このような中、株主代表訴訟を中心とする株主権の行使こそが上場企業の経営者を監視し、経営陣にコンプライアンスを意識、遵守させる手段として機能してきた。株主代表訴訟の原告適格を制限しない会社法、判例のもと、株主代表訴訟にはかかる機能が期待されている。
そこで、我々は、株主の立場から、株主権の行使を通じて経営者監視、企業不祥事の問題、経営者の責任追及に取り組み、個人が主体となって仕事をする場としての企業の発展を通じ、よりよい社会を実現するためにこの弁護団を結成した。
2010年6月 株主の権利弁護団